愚才を一弾と化し、すべてのパワーを敵にたたきつける! |
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●やっぱり、やってしまった 2005年ついにウイグル獄長のフィギュアが登場し、積年の願いの1つがかなった。リリース発表に感無量で狂喜乱舞したのもつかの間、手にした製品を見て、サガとでも言うかここでも補完魂がふつふつとわき起こった。シリーズの中で突出したデキであるのは確かだが個人的に「ここはこうじゃないだろ」という箇所がいくつか気になりだした。基本的な造形がいいだけにそういう部分は余計に手を出したくなってしまう。 ●補完理由 第一に、顔が微妙。特にフィギュアの命ともいえる目がうつろで、食いしばった口元も威厳がない→。ところが顔の着色を洗い落として造形だけ見ると驚いたことに全然違う古代彫刻的な顔が見えてくる→。ただ、量産時のモールド技術がうまくいってないせいか顔のほりが凹みすぎてしまってゆがんだ感じになっている。できることなら内側から押し出したいぐらいだ。着色だけがまずいなら塗り直せばよいが、ここまでなると色だけではなんともならない。非常に残念。髭の造形も原型はおそらく糸を束ねて樹脂で固めて植え込むという凝った作りになっているが、一本一本が太い気がする。 第二に、怒濤のパワー戦が身上の巨漢ウイグルにしては胴が細い。これでは蒙古覇極道の衝撃には耐えられない。大きさもヘルメットの高さがある分、スケールが小さくなっている。またマントも小さく、体とのつながりも不自然に感じる。一見、風になびいている様に見える波の起伏をよく見ると肩や両腕の形状ともにぴったりと一致する。何らかの理由でマントを体から離して取り付ける必要があったようだ。 また、マントの留め金は分厚く団子状でさらに胸に食い込ませている。ここは案外目につく場所なので、せっかくの高い造形クオリティがこのパーツで全体の印象をかなり落としている気がしてならない→。 第三に、初めて見たとき足の筋肉のスゴサに驚いたが、よくみると腿が袴に埋まっている。まるで袴の中に異次元が広がっていて、足が飲み込まれている様で違和感がある。某マンガのこの人を思い出す→ 革のパンツも上部が袴と一体化して、下部が格闘技のプロテクターの様なカプセル状に見えて不自然。 ●実際のところ かくして、最大の懸念だった顔も含め造形自体はかなり高い完成度に挑んでいるのは分かったが、ディティールやスケールなどプライズ商品という制約上、目をつぶる部分もあったように見受けられる。であればスタチュー版を望みたいところだが、おいそれとはでないであろう。実際、北斗の拳コレクションフィギュアシリーズの中でも、いまだにオークションでは落札金額が高く、中古屋でもすぐに消えてしまうそこそこ人気のキャラではあるが、某N屋によるスタチュー化阻止事件(投票改ざん+掲示板自作自演)のように雑魚キャラではディーラー側の理解も得にくい。 実際のところ、こんな日の当たらないキャラの造形にハイクオリティを注ぎ込まれたこと自体、奇跡的なことなのであろう。このフィギュアの原型を担当した造形師に、直接お礼を言いたいぐらいだ。 ●それでも諦めきれない だが、クオリティが高ければ高いほど、気になる部分が目に付いてくるし、それを想像力でカバーしようとしても逆に壮大な夢を見てしまう。たかが演出上必要だった雑魚ボスになぜここまでのめり込んでしまうのか。もうこれはほとんど呪いだ。カサンドラ伝説とはいえ怒濤のパワーも所詮、派手に散るための伏線にすぎない男の不甲斐なさだ。ならばその呪い、スタチューが無理ならフィギュア補完計画をその[たむけ]としてやってやろうじゃないの! しかし、フィギュア造形なんて初めてだよ・・・・・・・・悪戦苦闘はつづく。
●ついにフィギュア補完計画始動 フィギュアのベースがある分、補完作業はゼロから始めるより遙かに楽だ。しかし立体は2Dと比べてごまかしがきかない、死角がない、肉体構造の知識とデッサン力がかなり必要だ。今更ながら造形師ってすごいと思う。気が済むまで肉を盛って、それをまた修正で削ることの繰り返しでは、いつになったら完成するのか。これから始まるコスチュームに至っては気が遠くなる。 たとえうまくいっても次には着色という難問が待ち受けている。いっそホワイトモデルということに? |