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ウイグル獄長 蒙古覇極道

肉弾炸裂

物語

最初まともに蒙古覇極道をくらったケンシロウは、気を失ってしまう。希望を託した者達をあざけるようにウイグル獄長の高笑いがカサンドラにこだまする。そして闘いに賭けられた囚人達が、石の断頭台の露と消えようとしたその時(アニメではリンのテレパシーに呼び覚まされて)ケンシロウはかろうじて復活をはたす。信じられないウイグルにケンシロウはカサンドラ伝説の崩壊を早々に宣言する。「6本だ。6本の指でお前の蒙古極道を受けてやろう」ケンシロウの挑発にウイグルは怒り浸透し、再び蒙古覇極道を繰り出す。が、ウイグルの巨体は見事に受け止められてしまった。

補完理由

このシーンの元絵 このあたりも数少ないまともなカット。 蒙古覇極道が炸裂した瞬間を後ろから捕らえたこの絵は、かなり迫力がある。蒙古覇極道を受け止めたケンシロウをそのまま背後の剣山に串刺しようとウイグルはフルパワーでじりじりと押し迫る。ケンシロウが負けるはずがないのだが、白熱した膠着状態に双方鬼気迫るものがある。用意された墓穴に入るのは果たしてどちらか、補完画像には、死を賭けた闘いを象徴して墓穴を入れてみた。このときまだ優勢のウイグルがケンシロウにねじ伏せられ、最初の宣告どおり巨体を折られて墓穴に沈められる予感が、ウイグルの背後に迫ってきている。

ウイグル獄長の体重

これまで数々の凶悪な敵を前にしても圧倒的な強さを示してきたケンシロウがここまで追い込まれたのは始めてで、前半のストーリーで最大の危機であることは前にものべたとおり。しかし、それは蒙古覇極道を見切るためにケンシロウがあえて技にかかったために自ら招いた危機である。 泰山流千条鞭にしても千本ある訳でなくケンシロウにかわせないハズがない。 ウイグルの力をさぐり、懐へ入って巨体をいかに折りたたむかスキを伺っていたのだろう。

ところで、「全身を一弾と化し、すべてのパワーを敵にたたきつける」という蒙古覇極道、ただ体当たりすればいいと言う訳ではないようだ。 どうすれば技の破壊力が増すか考えてみた。 まず、体当たりのために突進をして加速を十分つけるのだが、脚力を十分に推進力にするためには、かかと・ひざ・股関節がねじりを起こして力が分散しないように直線的な動きができなければならない。 また、それを衝突したときの破壊力に変えるには、重い体を頑強な筋肉で密封して力を肩に伝達させなければならない。 そのためには脚力・肩の頑強さはさることながら、ブレが起こらぬように腹や背中など体幹部の強靱な筋力を備えていなければならない(ウイグルが筋肉ダルマの理由)。 さらに衝突する直前に足元でブレーキをかけ、つんのめる様に上から下へたたきつけるスナップ効果をつけることもねらえる。 巨体ならば、相手に当たった衝撃が逃げないよう地面にたたきつければ破壊力を高めることができる。 しかも一気に一弾化しては、跳ね飛ばしてしまうだけなので、当たった瞬間に足から上半身の下部・上部・肩に順次伝達して破壊力を持続させ、相手の体の共鳴破壊を誘因させる・・・・・・と考えると意外と奥の深い技ではないだろうか。

原作のウイグルが最初に登場するシーンでは、ボディビルダーの様な腰が細く極端な逆三角形の体型になっていた。これでは体幹が脆弱すぎると考えたためか、2話目以降は胴回りも太くなっていた。 この技の習得には、強靱な体幹部が必要である。シンプルな技がゆえに類い希な身体能力を要求するのである。

拳王の配下とはいえ、数え切れない挑戦者達を墓穴に沈め、不落の伝説を誇ってきた男の最大の奥義、それを鼻にかけたウイグルの巨体をたった指6本で受け止めようなどとは、暴君気取りのウイグルを地に落とすには、これ以上ないセリフである。 さて、このシーンでいつも不思議な感じがするのだが、ケンシロウの受ける姿勢は、どうしても尋常に見えない。いったいどうやってまっすぐ突進してくる力を支えているのだろうか? 「この500kgの体をよくぞ受け止めた」(原作では350kg)とウイグルも言っている。 もし、ウイグルが前に押し出す力が0ならば、つっかえ棒のようにウイグルを支えることは可能だろう。 実はケンシロウはすでに肩の秘孔を突いて一弾となっていたウイグルの筋肉の力を分散させ、かつ足の推進力をそいでしまっているのかもしれない。 

ところで、原作の体重が350kgとなっているのが500kgと変わっているのは何故だろう。ケンシロウの体重が100kgとすると身長の差を1.5倍とすると三乗で約340kgとなる。ただ、ケンシロウの顔の位置はウイグルの腹ぐらいであろう、どう見てももう少し体格差がありそうだ。 身長差を1.7倍にすると490kgになる。やはり体重は500kgぐらいに落ち着くのではないだろうか。

 

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