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渾身の一撃

物語

「蒙古覇極道!!」全身肉弾と化したウイグルはケンシロウめがけ猛烈な突進をはじめた。なすすべ無くがんじがらめになったケンシロウ。怒号とともに筋肉の弾丸と化したウイグルがケンシロウめがけ迫り来る。

 

補完理由

このシーンの元絵 やはりトメの絵の方はちゃんと描かれている。蒙古覇極道のシーンは一番の見せ場でイイ作画も集中している。  こんな風に普通に作画してもらえれば十分なのだが、大半の部分がどうして変なアニメーターにあたってしまったのか残念でならない。 このシーンは、前半最大の見せ場なので、絵として描いてみたくなった。

 

蒙古覇極道とは

しかし、数々の挑戦者を墓穴に葬り去り、伝説を築き上げてきた男が自信たっぷりに繰り出す究極の技が体当たりとは、驚きである。だがシンプルな技だけに巨躯を生かした力が即、破壊力に変換されるのかもしれない。
圧倒的な巨体から湧き上がる闘争心、臨界寸前までフルパワーチャージされた全身の筋肉はきしみをたてて、その莫大な力を突進しながら肩の一点へと収束させていく、まさに肉弾そのものである。

しかし渾身の力を一撃の技に込めるだけに、かわされたときのスキの多さと体力消耗の激しさは、まさに「捨て身」の攻撃と言ってよい。まして北斗神拳の前に自ら肉体を投げ出すのだから、肉を切らせて骨を絶つという壮絶な闘いを好んだのかもしれない。それだけ一撃必殺の自信と誇りがあり、ウイグルの豪胆ぶりをうかがわせる。実際これをまともに食らったケンシロウを失神させ、かなり危機的な状況に追い込んだ技であることは周知のとおり。 やったぜ獄長!

 

ウイグルの名前とデザイン

ところで蒙古とはモンゴルのことを指すのだが、「わが誇り高き民族が、かつて大陸を席巻した時、その最大の武器はこの技にあったのだ。」とウイグル自身が披露している。これはモンゴル相撲の原型のことを言っているのだろうか。 しかしウイグルと言う名前はどうなのか。 現在のウイグル人はモンゴル人とはちがう。 ウイグル人は、トルコ系民族で元々モンゴル高原で遊牧をしていたが、のちに天山山脈の北のタリム盆地に移動し、8世紀から9世紀にかけ古代ウイグル帝国を勃興、その後も大国に呑み込まれながら現在に至るまで自治を保ち、現在ウイグル自治区(東トルキスタン)となっている。 他にもウイグル族はカザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、トルコにも分布している。現在のモンゴルとはほとんど縁がない。

ちなみに中国のウイグルをUighur・Uigurなどと書くが、日本未発売(-"-)「北斗の拳マスターエディションvol.7」の英語版ではWigulと表記されている。 (意外にもこれは人名で実際に欧米でも使われている名前) Wigulの表記は、正規出版物なので信憑性がある(それともさすがに敵がUighurだと問題があったのか?香港製DVDだとUigulとなっている。)。 また、表記をUygurとすると、トルコでは人名として使われている。(どうもウイグルという発音についての表記は一貫していないらしい) 

獄長が「わが祖は蒙古」と言っているのだからモンゴル人の血が入っていることは確かであろう、だがウイグルという名前から言うと、かつてモンゴルに支配された中央アジアの国々で混血していった現地の氏族であると言えるのではないだろうか。 モンゴル人が中央アジアを支配したときに蒙古覇極道も伝わり、そこで混血するなか代々伝統の武闘として為政者によって伝承・研鑽され、それに特化した家系からは獄長のように体格がダブルマッスル化した逸材を輩出したと考えることもできる。 一方、泰山流の泰山とは、古来より中国の皇帝が即位を天に報告した神聖な山であり、中国皇帝とのゆかりに関係がありそうだ。 いずれにせよウイグルは生粋のモンゴル人ではないようだ。名前や体格、歴史背景からすると、中央アジアのトルコ系やコーカソイドの血が入っているといえるだろう。

しかしこのローマの剣闘士やバイキングの様なコスチューム、泰山流だの蒙古だの言う割にあまりにかけ離れている。北斗の拳のデザイン要素は、映画マッドマックスとファンタジーイラストの巨匠フランク・フラゼッタの世界が源泉になっている。なかでも黒王に乗ったラオウなどは、フランク・フラゼッタのデスディーラーに酷似している。ウイグル獄長のデザインも、彼の作品の中に登場するバイキングの頭領だったり北欧神話の英雄の姿の中に彷彿とさせるものがある 。 しかしフラゼッタの世界は、ロマンシズムに満ちたもので考古学的な設定とは言えず、19世紀末に作られたケルト・北欧神話世界のイメージで構築されているので、史実に照らした検証をしてもあまり意味がない。 あくまで浪漫の世界として見るべきであろう。そんなイラストの中から役にあったイメージを組み合わせることで獄長のコスチュームも生まれたのであろう。 獄長の露出度が高いのもここに由来する。

ちなみにフラゼッタの描くデスディーラーの馬は、重種のペルシュロン・ベルジャン・ブルトンのような太い脚で半兎頭型の顔をしている。 北海道のばんえい競馬でみるそれら重種やその半血種そのままの姿。 ラオウがデスディーラーのイメージなら、黒王号はさながら「ばんえい馬」である。 重い橇を曳くばんえい馬は、ラオウに負けるとも劣らず筋骨隆々。 1tを超す壮大な馬体が後ろ足二本でいななく姿はド迫力で、これにラオウが乗っていたのかと思うと、ばんえい競馬を観戦する楽しみもふえるというもの。 特に青毛は黒王みたいで○。 [半血種/青毛/馬体重1100kg] ちなみに北海道の人はみんな、黒王号をばんえい馬だと思っている。笑

 

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