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注意:これから先はバイオレンスな画像

肉体崩壊

物語

内圧が臨界を超えた瞬間、ついにウイグルの胴体は押しつぶされてしまった。墓穴から吹き上がる大量の血しぶきにカサンドラの衛兵達は動揺を隠せない。長年カサンドラを支配し、鬼達に首かせを付けていた恐怖の存在は、カサンドラ伝説とともに墓穴で砕け散ってしまったのだ。

 

補完理由

シーンが逆行してしまうがこの補完絵の元絵。と言っても共通しているのは、墓穴からのアングルだけだ。作画はさておき原作ではない動きがあることで成立するアングルだ。ドスンと巨体が落ちる迫力が伝わってくる。しかしウイグルの断末魔の後に、墓穴から何かが破裂する場面が挿入されている。状況的に墓穴でもがき苦しんでいたウイグルが、ついに限界を超え腹を炸裂させたという事なのだろう。原作では血しぶきが墓穴から吹き上がるだけの描写にとどまっていたが、より派手な散り方で圧殺を表現したかったのであろう。しかし何が描いてあるか分からなくては元も子もない。墓穴サイズは便宜上大きくなるが墓穴からのアングルが面白かったのでここまでの動きを含めて補完した。

 

肉体崩壊の描写

今更なのだが、北斗の拳(原哲夫の原画)には血なまぐさいシーンが多い、というか当時それがウリの一つであった訳だが、意外と内臓まで飛び散る描写は少ない。多くは外的損傷と血しぶきの描写をして北斗神拳による肉体内部の破壊(というより爆裂)を表現している。タッチや粗さも含めて見る者にそれを感じさせる原哲夫の技術はさすがにスゴイ。

一方、動画となると具体的な動きを付ける都合上、1コマの「らしさ」で見せるわけにもいかなくなる。といって飛び散る肉体を克明に描くわけにもいかず、結局逆光などオプチカル処理で済ましているので、どうしても嘘っぽくなってしまう。しかしそれにしてもウイグルの爆裂シーンは奇妙な描写だ。つい最近までこれは具体的な物ではなく炸裂のイメージだとばかり思っていた。しかし、1コマづつ見ていくとシワだと思っていた描線が腹の筋肉を表しているのではないかと思えてきた。しかも炸裂した瞬間、獄長のヘルメットや袴の一部らしきものが描かれている。これはイメージでなく具体的な描写をしようとしているのだとそこで気づいた。

では一体、このシーンでウイグルの巨躯はどうなっているのだろうか?さっきまで体を極端に屈折させていたのが、このシーンでは腹を突き上げているように見える。そこで隠れている部分を補完してみた。こうするとかなり姿勢と整合性がとれた描写に見えてくる。墓穴のサイズに余裕があるように見えるが、以前もふれたように墓穴のサイズはシーンごとに変わっている。どう見てもケンシロウさえ入らない大きさもあるし、巨体でも体を丸めればかなり小さくなる。墓穴の小ささで圧死というより、秘孔を突かれて筋肉が暴走し、内圧が限界まで達して内臓や骨格の破壊を引き起こしたものと思われる。

しかもただでさえ全身フルパワーを爆発させる蒙古覇極道を立て続けに3回も繰り出していたのだから、すでに体中の筋肉はパンパンに腫れ上がっていたに違いない。そこへさらに狭い墓穴に押し込められる状態になれば、内圧の限界を簡単に超えてしまうだろう。暴走した筋力で自分で自分を締め上げるという怪力巨漢タイプらしい悲惨な末路だ。ただ腹部が爆発的圧迫を受けると、本当に腹部断裂して内臓が飛び出すのだろうか?まあ、北斗神拳に秘孔を突かれたのだから、そこは派手に吹っ飛んでこそ悪役冥利と言うものだろう。

実を言うと私はそれらしく血を描くのがとても苦手である。だから具体的に描くことで解決しようとしてしまう。しかし一瞬のことを克明に描くとかえって嘘っぽく見えてしまう。「らしく」描くにはそれなりの修練がいる。アニメの北斗の拳でやろうとしたことは、はたしてうまくいったのだろうか?どうしても派手さばかりでマジックショーのような余興に見える。私に力量がないのは仕方がないが、それでもそれは避けたい。らしく描けないなら地道に描写するしかないだろう。それにここでやっている補完絵は目的上、克明な描写は避けて通れない。存在価値を文字通り体を張ってみせる肉弾派悪役の壮絶な最期、断末魔を単なる「余興」や「最終処分」で終わらせないためだ。しかし、不特定多数に何の説明のないままこういった図像をさらすのは、どうかとも思う。だから悪役が物語の流れで迎えた需要シーンだということをここで強調しておかなければならない。

 

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