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力の臨界

物語

ケンシロウの宣告のとおりウイグル獄長の巨体は、筋肉の暴走によって次第に折り曲げられて小さな墓穴へ沈み込んでいく。体中がきしみをあげ砕け始め、ウイグルの断末魔が怒号となる。そして異常に高まった体の内圧は、やがて臨界に達する。

 

補完理由

この補完絵の元絵。これは、酔っぱらって側溝にはまったオヤジか?悪役の作画は、カナメプロではこの程度でイイという認識なのだろうか。内臓破裂しそうだというのに、まるで鬼気迫る感じがない。暴走しているはずの筋肉は、たるんだヒダのようだ。また、この墓穴サイズではケンシロウすら入らない。死すべき悪役とはいえ、このマヌケづらではケンシロウも相手に不足だろう。いったい何のための闘いなのか、余興なのかギャグなのか。ケンシロウの背負った悲しみとは、アホ軍団と闘うことなのだろうか。当時、北斗の拳のアニメ化に際し、暴力表現の少年に対する影響をさんざん懸念されたが、正義によって死すべき者がギャグで死ぬなら問題ないとでも思ったのかと考えてしまう。

力の時代にのさばる凶悪な悪党どもを懲らしめると言っても、競り合いの末に拳のひと突きで屈強な相手を肉片にしてしまう凄惨な[死闘]を描写をすることと、「殺してもいい」と張り紙をされた悪役たちを用意して罪悪感のない血の[余興]を楽しむことは、どちらが残酷なのか。

 

100の失敗作

しかしながら、このシーンを描くのは非常に難しかった。もともと押しつぶされる体は極端な形になって、何が描かれているのか分からなくなる。恥を忍んで言うと、この絵を描くのに100回以上の書き直しや修正を入れた。そもそも描き始めたのは2年前(毎日描いた訳ではないが)。いいかげんやになって、ふんぎりをつけた。だからデッサンの狂いが取り切れていない。ひとえに画力のいたらなさだ。その点、原哲夫の原作では無理はあるものの、さすがにうまく処理して[らしく]表現している。時間に追われる週間連載であっても描ききるとは、まったく脱帽。 今まで何枚も補完画像を描いてきたが、筋肉の描写は毎回なんとなく描いてしまうので上達しない。ちゃんと模写でもしなければとは毎回思うのだが。 特に脇の下、肘、膝に関わる部位。あと未だに手が苦手。 補完画像なのに補完が必要なんて・・・・・。

 

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