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●落日のカサンドラ ◆物語 肩の肉を引き裂かれたウイグル獄長に、もはや敗色は明らかであった。巨大なカサンドラ伝説の威信は見る影もなく地に墜ち、誰もがウイグルを見放した。もはや、なすすべのないウイグル。しかし不落を誇ってきたウイグルには決して負けを認めることなどできない。なおも必死に強がりを見せる。「カサンドラ伝説は不滅だ!!貴様などオレの敵ではないわ!!」 ヘルメットの羽根飾りから仕掛け刀がせり出し、ウイグルはケンシロウめがけて最後の突進をかけた。 ◆補完理由 このシーンの元絵→ やけくその体を張った突進だというのにケンシロウの股下からのアングルで、なんとも迫力にかける。形勢逆転で、もはやウイグルの力はケンシロウに及びもしないという演出意図なのであろう。なすすべのないウイグルの焦りが愚かしくさえ見え、せつない→ しかしケンシロウに比べ、どアップなのにこのクズレはいったいなぜ?→ ◆不屈の突進 蒙古覇極道の使い手であるウイグルの鋼鉄の肉体、中でも一番強靱な肩が引き裂かれてしまった!もはや、ウイグルの胸・腹・脚どこをとってもケンシロウには引き裂けない部位はない。最大の武器であった鋼の肉体も、ひびの入った鎧と同じだ。これまで体一つをたよりに闘ってきたウイグルにとっては絶体絶命の危機をむかえる。 しかし、この期に及んでウイグルは絶対に敗北を認めない。それどころか愚かにもケンシロウに余裕を見せつける。カサンドラ伝説の栄光と絶対の自信を捨てないウイグルが次に何をすると思いきや、ヘルメットから仕掛け刀が現れケンシロウめがけ突進を仕掛けたのだ。しかし鋼鉄の肩を引き裂いてしまったケンシロウに、今更こんなものが何になるのだろう? 破れかぶれの突進、死を目前にしたお約束の悪あがき、ここで読者は次の瞬間に行われるウイグルの惨殺を確信するのである。先刻ケンシロウに「その無謀なる勇気だけは褒めてやろう」と言い放ったウイグル自身が、勝ち目のない無謀な突進をしかける羽目になるとは、何とも皮肉である。しかし、もはや北斗神拳の餌食となるであろうその巨体を奮い立たせ、悪役に宿命づけられた最期に向かって突進するウイグルの姿は、まさに肉弾派悪役の鑑!そのサガを痛感せずにはいられない。 |