●落日のカサンドラ ◆物語 肩の肉を引き裂かれたウイグル獄長に、もはや敗色は明らかであった。巨大なカサンドラ伝説の威信は見る影もなく地に墜ち、誰もがウイグルを見放した。もはや、なすすべのないウイグル。 ◆補完理由 このシーンの元絵→ → 原作では、疲れと激痛でウイグルが顔をゆがめる表情が表現されているが、テレビ版では信じられないという驚きと失意で、その後につながる執念の闘争心はすっかり消えてしまっている。 闘争心をくじかれそうになりながら、必死に耐えている表情がほしいと思った。 テレビ版オリジナルのセリフ「なんにも聞こえんなぁ・・・・」は、頭の鈍い悪役の愚かな強がりにしか聞こえない。 「不滅と言ったら不滅なのだ!」は、まるで子供がダダをこねているようだ。 ◆悪役だって痛いんだ 力で押すウイグルとの膠着状態の中、ケンシロウが、渾身の力でウイグルの筋肉を引き裂いた。 北斗の拳の中でもかなり痛そうなシーンの一つだ。 しかしこれが怪力巨漢タイプの宿命、ならばこの不屈の闘志、我がカサンドラ伝説の最後の輝きにかえて・・・・・。 最後の突進シーンの前に見せる「一瞬の溜め」に漢を感じてしまう。 期待通りの悪役の最期も北斗の拳の魅力(笑) |